殻本体は炭酸カルシウムの結晶とコンキオリンと総称されるタンパク質を主とする間基質からなる。その構造は、多数の結晶が間基質によって繋ぎ合わされたもので、結晶をレンガに、間基質をレンガを接着するモルタルにたとえると構造が理解しやすい。
炭酸カルシウムの結晶は結晶構造によって、三方晶系の方解石(カルサイト:calcite)、斜方晶系のアラレ石(アラゴナイト:aragonite)、六方晶系のファーテル石(バテライト:vaterite)の3種に分けられるが、ファーテル石は自然界には少なく、貝殻に利用されるのも方解石とアラレ石の2種のみである。
貝殻を形成する結晶の並び方にもいろいろな種類があり、「〜構造」という名前で区別されている。
このうち方解石からなるものには海産種の稜柱構造(角柱構造)や葉状構造などがあり、アラレ石からなるものには淡水種の稜柱構造や真珠構造、交差板構造、均質構造などがある。
稜柱構造は多角形の柱状の結晶が殻表面に対して垂直に並ぶ構造、葉状構造は水平方向に重なる構造、交差板構造は斜めに傾いた結晶の列があり、隣の列は逆方向に傾斜し、それらが交互に連続する強度のある構造である。
また真珠構造は多角形板状のアラレ石結晶が何層にも重なった、レンガ積みのような構造となっている。